近すぎて、遠すぎて。
「……ごめん。」
一分くらいの沈黙を俺は破った。
「林原さんだよね…?」
「なんで…それっ」
「中学のときから好きだったから。相沢くんをみたときはいつも切なそうに林原さんを見てた。」
「………」
俺はいつもそんな風にしてたんだと思うと、言葉がでなかった。
「林原さんをほんとに好きなのはよく分かるの。見てるだけでもよかった。でも…!私は…。叶わないなら諦めたらいいじゃん。もう…諦めたら…」
「俺だってそうしたいよ。でも、俺は心が好きなんだよ…」
「だよね…。私、何いってんだろ。ほんっと馬鹿だ…私…弱みに触れたら付き合ってくれるって思ったのかな…ほんっとごめんなさい…」
「ありがとう。うれしかった。桜田が言ってること間違ってねぇから。」
全部、事実。
俺は弱いだけ。
「ありがとうっ!ばいばい、相沢くん…」
涙を拭って手を振り、教室を出ていった。