近すぎて、遠すぎて。
「おい、裕。」
次の日、裕と学校へ行く時、昨日のことを聞いた。
「だって…桜田がうっせーんだよ。相沢くん相沢くんって。」
「知らねーよ。あんなやつ中学に居たっけ?」
「は?居たよ!ちょーモテてたよ?えっ?結構男子の間では有名だった…」
まじかよ…
確かにかわいいかもしらねぇけど、心の方がよっぽどかわいい。
「興味ない。」
「心一筋って感じが腹立たしいなぁー」
「うるせぇよ。」
沈黙が続いた。
「俺さ、桜田に言われたんだよな。叶わないなら諦めたらって。俺だって諦めれるなら諦めたい。でも心が好きだから…って言った。でも、諦めたほうが心にとってもいいんじゃないかって。」
「……叶わないから諦めるもんなわけ?心がどうかじゃないだろ。お前がどうしたいかだろ。」
「何年も心をそばで見てきた。でもさ、俺はただの小心者だから。なんにもできなかった。」
「で、お前はどうすんの?」
…一日中考えて出した答え。
「俺は心を諦める。」