近すぎて、遠すぎて。
心Side
「あのっ!林原さん!」
可愛らしい女の子の声がした。
振り向くと、同い年だろうか、一人女の子がいた。
「ん?」
「あの…これ…」
そういって差し出したのは手紙。
「えーっと…」
「私、伊保三咲って言います。それ、相沢くんに渡して欲しいの…。」
え…
海斗に…
「いや、あのっ…」
「お願いしますっ…じゃあっ…」
そう言い残して帰っていった。
嘘でしょーっ?
海斗にこれ渡さないといけないのっ?
まじで…?
嫌だよ。
絶対やだ。
でも…
あたしは手紙をもらったまま、硬直していた。
まず、あたしにくれる手紙かと思ったよ。
「…ほんとどうしよ。」
渡せないよ。
あたしも好きだから。
でも、渡さないとあの子の気持ちが無駄になる。