近すぎて、遠すぎて。
「もうすぐしたら、飛びっきりの彼氏、自慢してあげるから待ってなよっ!」
「…待ってるよ。できんのか?」
「できますーっ。あっ!夢ー!じゃあね、海斗!」
あたしは夢の元へ走り、学校へと歩きだす。
「笑って言えたよ。おめでとうって!」
「がんばったじゃん。」
「結構踏ん切りついたかな。」
「いいことじゃん。」
夢もテンション低い。
海斗も低かったけど…
「あーーーっ!漱石っ!」
前から漱石が見えた。
「おー!心!なんか久しぶりな気がするな。」
「確かに!学校でもなんかしゃべらなかった気するしね。」
「だなぁ、って堀内ほんと愛想悪いな。」
ぱっと夢を見ると、だるそうに立って、漱石を睨んでた。
「ったくチャラチャラしてんな。前髪長すぎだろ。うっとうしい。」
「散髪屋の予約がなかなかとれなかったんですー。明後日行きますー。」
「違うところとか考えたらいくらでもあるだろ。」
「…っ。こっ、こだわりがあるんですー。」
喧嘩中、申し訳ないけど笑わせて下さい。