近すぎて、遠すぎて。


海斗はあたしを傘の中に入れた。

小さい傘の中、二人。



「海斗の肩がはみ出てる。あたしはいいから…三咲に怒られるよ?」



「俺はいいんだよ。傘あるくせに嘘ついたのはあいつだから、もし怒ってきても大丈夫。」



海斗のそういうさりげない優しさが大好き、だった。



「そっ。じゃあ遠慮なく。」



未練がましいのは性に合わない。

もう、ばいばい。

海斗が好きだった自分。

< 52 / 200 >

この作品をシェア

pagetop