近すぎて、遠すぎて。
「なんで?」
「伝えても無理だから。もう終わった話やめよ。」
触れてほしくないんだな。
心の顔を見て思った。
「…悪かった。」
「ううん。あたしこそ。」
そういうと、俺の皿を自分の皿に重ね、キッチンへ運んだ。
「さんきゅ。」
「ん。」
小さく微笑む心。
キッチンで洗い物をはじめる。
「あ、俺するから。」
立ち上がって、キッチンへ行く。
「いいよー。女に任せなって。」
「え?女って?」
キョロキョロ探すふりをする。
ドスッ
「うっ…………」
心がみぞうちにパンチをいれた。
心のパンチは痛すぎる。
しかも泡がいっぱいついた手で殴りやがった。
「ばーか。」
俺はみぞうちを抑えながらソファーに向かう。
携帯が鳴ってること、気づかずにみぞうちを抱えていた。