近すぎて、遠すぎて。
「え?」
「可愛いって言えよ。お世辞でも言えよ。頑張ったなって言えよっ!嘘も方便って言うだろっ?」
口がよろしくない。
でも、仕方ない…気もする。
「はっ?かわっ…嘘だよ。…変わったなって思ってたから。」
「よし。高校デビュー成功。」
素直に喜べないあたし。
ほんとはすっごいうれしい。
「でも、喋り方はだめ。もっと女らしく喋れ。」
「言われなくてもわかってますー」
あたしは海斗のために変わる。
いっぱい可愛くなって、海斗に好きになってもらう。
幼なじみなんて、さらばさっ。
大好きな海斗のためならやってみせる。