近すぎて、遠すぎて。

「漱石…？かっこいい女の子が好きなの…？」



「おうっ！」



「いや…漱石…」



三咲ちゃんはかっこいい女の子じゃないの。
冷めた態度とられてるんだよ…？
って言いたくても、嬉しそうな漱石を見たら言えなくなってしまった。



「ちょ…海斗…」



海斗の方を向いてこそこそ話しをする。



「言えねぇよ…あんな顔されたら…どうしよ…」



「あたし言おうか…？」



「やめ…やめた方が…」



だよね………………



「でも、彼氏いるみたいでさ…」



ギクッ

あたしと海斗の肩が上がるのを感じた。



「ま、まじでっ！知らなかったなぁー。ねぇ！？海斗！」



「あ、あぁっ！でっでもお前ならいけんじゃね？」



そうだよっ！とあたしは頷く。



「そうかな！？そうかなっ？」



お願い…嬉しそうな顔すんなよ。