近すぎて、遠すぎて。
「はじめまして。1年A組担任の松崎早弓です。」
まつざきさゆみ。
二十代後半ってとこか。
顔可愛いし、身長は小柄。
小動物系だな。
クラス全員の自己紹介をし、色々プリントを渡されて今日は終わった。
喧嘩したやつの名前は、
夏目れおん。
夏目って…漱石の子孫か!?
れおんって…しゃれた名前だな。
向こうは気づいてなさそう。
だって、あたしは美しい…
「おいっ!心っ!」
「ちょっと!いい夢見てたのにっ。」
寝てはない。
妄想です。
「しらねーよ。帰んぞ。」
海斗のばーか。
「心とうみ。」
「ん?」「うみって言うな。」
かぶった。
「だから…うみと。」
「かいとだよっ!なんだよ、その¨と¨をつけりゃいいみたいな考え!」
「うっぜー。」
「夢。なに?」
話が気になって仕方がない。
「あぁ、忘れてた。夏目れおんのことあたし知ってる。なんか、前の前の彼氏の友達。」
「うそっ!優心の?」