近すぎて、遠すぎて。
ピーンポーン
『はい』
「あ、海斗?あたし!」
夜、あたしは海斗の家に行った。
『ん。待ってろ。』
ん。って…あたし、このぶっきらぼうな感じ好きなんだよね。
ガチャと音をたてて開く。
「こんばんはー。入れてー!」
「あ…ちょっ!…無理。」
玄関に一歩踏み出したあたしを手で止める海斗。
あたしの視線の先には、女の子の靴。
あきらかにおばちゃんのじゃない。
「…三咲ちゃん来てんの?」
「まぁ…。」
あー。タイミング悪かったか。
「じゃあ、帰るわ。ごめんね」
「いや、話あったんじゃねーの?」
「三咲ちゃんとの間邪魔するわけいけないしね。また、明日の夜行く。」
だから。だから、早く帰して。
お願い、その手離して…