近すぎて、遠すぎて。
諦めるのに。
あぁ。なんでこんなに心揺らぐんだろ。
「そ。わりぃな…」
「うん。じゃっ!あ、やらしいことすんなよー。声聞こえるからね!」
「はっ!?しねぇしっ!」
しそうになさそう。
海斗の顔見てたら、楽しい感じじゃなさそうだったから。
なんか大事な話とか、か。
そんなこと考えながら自分の家のドアを開ける。
「あら、心!丁度いいわ。これ、海斗くん家持っていって。おすそわけ!肉じゃがだからね。」
「いーやー。」
「いいから。持っていって。」
さっき行ってきたばっかなのに。
「めんどくさっ。」
「はいはい。ほらよっと。」
肉じゃがの入った鍋を差し出す。
「はぁ…。行ってくる…」
「よろしくー!」
調子いいんだから。ほんと。