近すぎて、遠すぎて。


諦めるのに。
あぁ。なんでこんなに心揺らぐんだろ。



「そ。わりぃな…」



「うん。じゃっ!あ、やらしいことすんなよー。声聞こえるからね!」



「はっ!?しねぇしっ!」



しそうになさそう。
海斗の顔見てたら、楽しい感じじゃなさそうだったから。
なんか大事な話とか、か。



そんなこと考えながら自分の家のドアを開ける。



「あら、心!丁度いいわ。これ、海斗くん家持っていって。おすそわけ!肉じゃがだからね。」



「いーやー。」



「いいから。持っていって。」



さっき行ってきたばっかなのに。



「めんどくさっ。」



「はいはい。ほらよっと。」



肉じゃがの入った鍋を差し出す。



「はぁ…。行ってくる…」



「よろしくー!」



調子いいんだから。ほんと。

< 91 / 200 >

この作品をシェア

pagetop