近すぎて、遠すぎて。
ピーンポーン
二度目のインターホン。
階段の急いで降りる音がした。
『…はいっ。』
息を切らした海斗がでる。
「ごめん…心です。」
『あぁ、ちょっと待って。今行く。』
ガチャ
すぐに開いた。
「どうした?」
「ごめん…おかんがおすそわけ持って行けって…肉じゃが。食べてね。」
「おぉ!俺、おばちゃんの肉じゃが好き!毎回肉じゃがんとき持って来てくれるよな。」
「なんにも考えないで作るから量が多いだけ!」
ちょっとは考えろよってぐらい作るからね。
三日は肉じゃが。あきるっての。
「ははっ!おばちゃんらしいよな。」
「まぁ、ね。あ、おばちゃんは?」
「なんか、スーパーのパート始めた。心のおばちゃんめ誘ってたし…」
突然だなぁ。
おかん、行けばいいのに。