近すぎて、遠すぎて。


「ごめんね!なんか二度もじゃましちゃって。じゃね!」



軽く片手をあげて玄関に背を向けたとき、



「海斗くん?」



三咲ちゃんの声がした。



「伊保…。」



あたしは気にせず、帰ろうとした。



「まって」



ピタッと足が止まる。

振り返ると、三咲ちゃんと海斗が肩を並べて立っている。



「ごめんね!邪魔したよね。」



「いや。別にいいんだけどね…」



やっぱ三咲ちゃんは冷めた感じするなぁ。



「帰るね」



「だから、まって!」



「…なに?」



「ほんと心ちゃんって鈍感だよね。」



え…?
なに急に。

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