近すぎて、遠すぎて。


「なんでわかんないの?なんで気づかないの?ほんとはっ」



「おいっ。お前何言ってんだよ」



三咲ちゃんの言葉を遮って海斗が話をとめた。



「もう…あたし、海斗くんと別れるよ。」



…!?



「いやっ…三咲ちゃん?なにいってんの?」



「海斗くんの心は、私にないの。私が無理矢理付き合ってもらってる感じがあるし。もう、限界。分かってたことなんだけど、私にはもう無理…」



三咲ちゃんが今どんな気持ちで涙を浮かべてんのかわかんない。
けど、海斗を想ってるのがよく分かる。



「三咲ちゃん…はい。」



制服に突っ込んであったティッシュを差し出す。



「いらないっ!あんたなんかに励ましも、心配もいらない。」



「分かったから。とりあえず、涙拭きなって。」



いつもなら、『あっそ。』って言ってたかもしれない。

でも、冷静に今は判断ができるんだよな。

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