恋愛ルート
Lesson0:始まる
「彼氏欲しいー…」
私の友人のゆりちゃんはこれで何度目かの願望を呟く
「うん、そっか」
語彙力の少ない私はそう返すのが精一杯で、操作途中だった携帯電話の画面へ意識を戻す
「モモー聞いてる?」
はずだった………でも、手元に携帯電話はない。奪われてしまったみたい
雑誌を読んでいたはずの、前の席に座るゆりちゃんに
移動教室の理科と今さっきの英語、二教科を終えて過ごす中休み
他愛ないことに花を咲かせる10分休み
普段は離れた席の友人がいつものように近くに来てくれる
それは今も同じ、ただ違いのは英語の授業中に読んでいたという雑誌をお供にしていることくらい
私と話すの退屈なのかな、
でも、それを敢えて口にはしない、その考えはゆりちゃん曰くヒクツみたいだから
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