恋愛ルート
彼は私の日直の相方、同じのクラスになってもう二ヶ月以上経つけど話したことはない
と言っても私にとって鈴木くんに限った話ではないけど、
「雅紀くん、黒板に注目ー」
「えっ、」
数分前は白や赤、青のチョークで半分以上埋めつくされていたそこは小綺麗になっている
「……あっ、」
何かに気づいた鈴木くん
「もしかして…俺って、日直だった、とか……?」
誰に尋ねるわけでもない小声が発されて、辛うじて聞き取れたゆりちゃんが頷く
「まじかよーえ、もう一人って誰だっけ。ゆり?お前?違うのかよ!」
不意に向けられた視線
感じ取って顔を伏せる
何となくだけど近づいてくる気配
恐る恐る顔を上げると
「もしかして、沢井?」
「…はい」
誤魔化しても仕方ない
小さく顔を動かすと鈴木くんは頭を下げた
「ごめん!俺、すっかり忘れてて、いやちょっとは覚えてたはずなのに記憶が途切れてた…っていうか。ほんとごめん!」
果たして日直の黒板消すのを忘れただけでこんなに謝る人はいるのかな
……うん、いるみたい、今目の前に
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