あたしはモデル。②(修正版)
冷蔵庫には野菜がたくさんあったので、野菜のお粥を作ることにした。
「…あれ?包丁どこだろ。」
調理器具の場所がわからないので少し戸惑いながらも、なんとか料理し始めた。
料理をすることは好きだった。
食べてくれる人がいたから。
お玉を手に、グツグツと音を立てる鍋の中をぼんやり見つめた。
昔、ご飯を作ったらよくお兄ちゃんが喜んでくれたんだよね。
お兄ちゃんがいなくなってからは、手の込んだものは作らなくなった。
ひとりで食べるのは、すごく寂しいから。
静かな部屋が怖くて、テレビをつけながら食べてしまう癖はまだ直せそうにもない。