あたしはモデル。②(修正版)

冷蔵庫には野菜がたくさんあったので、野菜のお粥を作ることにした。



「…あれ?包丁どこだろ。」



調理器具の場所がわからないので少し戸惑いながらも、なんとか料理し始めた。





料理をすることは好きだった。

食べてくれる人がいたから。




お玉を手に、グツグツと音を立てる鍋の中をぼんやり見つめた。







昔、ご飯を作ったらよくお兄ちゃんが喜んでくれたんだよね。


お兄ちゃんがいなくなってからは、手の込んだものは作らなくなった。


ひとりで食べるのは、すごく寂しいから。


静かな部屋が怖くて、テレビをつけながら食べてしまう癖はまだ直せそうにもない。





< 10 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop