あたしはモデル。②(修正版)
「本当に!?
やっと俺のことを好きになってくれたんだね!?」
急に花が咲いたように顔をぱぁっと明るくさせて、中村さんは私の両手を握りしめる。
手から伝わるぬくもりが気持ち悪かった。
私の大好きな、あの人のぬくもりじゃない。
もう二度と、あの優しいぬくもりに触れることはできないかもしれない。
それでも、私は。
「…勘違いしないで」
「…え?」
自分でも初めて聞くような、低い声が出た。
「私が好きなのは拓夢だけ。
それは、一生変わらない。
私は、拓夢しか愛せない。
だから拓夢を守るためだったら何だってする。
…こんな卑怯な手を使って、私の体があなたのものになったとしても、心だけはあげない!絶対にあげない…っ!」