あたしはモデル。②(修正版)
お粥を片手に持ち、レンゲを持ったままじっとこちらを見てくる拓夢を見て見ぬ振りした。何か言いたそうだ。
…まさか、あーんしろ、とか言わないよね。
普段の拓夢なら冗談で言ってきたりしそうだけど、今の拓夢は素でとんでもないことを言いそうで怖い。
あーんなんて…恥ずかしくて絶対無理なんだけど…
そんな悩みは私の思い違いだったのか、拓夢は一人でお粥を食べ始めた。
「すげーうまかった。
過去最大級にうまかった。」
拓夢はお粥を完食してから、薬を飲んでベッドに横になった。
正確には、なかなか寝ようとしない拓夢を私が横にさせたんだけど。
「ふふ、ありがとう。
喜んでもらえてよかった。
じゃあ私、洗い物してくるね…」
そう言い終わった瞬間に、腕を強く引かれた。
「きゃっ!」
バランスを崩して拓夢の上に乗っかるような形になってしまい、急いで立ち上がろうとした途端、一気にベッドの中へ引きずりこまれた。