あたしはモデル。②(修正版)
○距離と影
人気若手俳優
「桜、大丈夫?
確か今日よね、拓夢がオーストラリアに行く日って…」
タクシーでスタジオに向かっている途中、涼子さんが心配そうに聞いてきた。
運転手には聞こえないように、もちろん小声だ。
「はい。空港出るときに一度連絡入れるって言ってました。
それよりも、今日の仕事集中してがんばりますね!」
今までも会えない日々はあったが、いくら会えなくても同じ日本にいた。だから、拓夢がオーストラリアという遠い場所に行ってしまうのは本当はすごくさみしい。
でも、がんばると決めたから。
「さすが桜ね。
大丈夫!仕事してたらきっとあっという間よ。仕事がんばりましょう。」
スタジオに到着して、私は控室に案内された。