あたしはモデル。②(修正版)
本当は、見送りに行きたかったんだけど…
涼子さんと部屋の前で別れ、一人になった私はソファーに座りため息をついた。
拓夢と同様に、私も仕事があるのでそれはできない。そんなことはわかってる。
拓夢と会えなくなってからもう3ヶ月が過ぎていて、精神的にもつらかった。
電話じゃ嫌だ。会いたい。テレビの画面ではなく、目の前にいてほしい。
こんな思いを抱えて空港に行ったら泣いてしまいそうそうだし、仕事があって逆に良かったのかもしれない。
落ち込みかけた気分を振り切って、携帯を取り出すと、タイミングよく音楽が鳴り出した。
「着信…拓夢だ!」
慌てて出ると、ざわざわとした騒音とともに、拓夢の声が聞こえてきた。
『もしもし、桜?俺だけど…
今話せるか?』