あたしはモデル。②(修正版)
時計を確認すると、まだ打ち合わせまで一時間ほどある。
「うん、話せるよ!
拓夢、今空港?」
『おう。さっき着いた。
そっちは今何してんの?
雑誌の打ち合わせだったっけ、今日。』
「うん。あとで撮影もあるんだ。
結構大変な撮影みたいで何日かかかるみたい。」
いつもなら撮影日よりも前に打ち合わせはしておくものだけれど、お互いの都合が悪く、結局撮影日の数時間前にすることになった。
といっても、顔合わせ程度らしいけど…。
「…忙しくてもちゃんと休憩するんだぞ。
睡眠もしっかりとって。
つらかったら俺に電話な?」
心配そうな声を出す拓夢は今、どんな表情を浮かべているんだろう。
想像したら、自然と笑みがこぼれた。
胸があたたかい。でも、少し切なかった。
拓夢はもうすぐ日本をたってしまう。