あたしはモデル。②(修正版)
「気のせいなんかじゃないわよ」
「涼子さん!」
涼子さんは腕を組んで、難しい表情をしていた。
パンツスーツをスマートに着こなすその姿は、相変わらず綺麗だ。
「気のせいじゃないって…?」
「いくらなんでも近寄りすぎだったわよ。
…やっぱり、ヒロトさんの言ってた通りかもしれない…」
「え?ヒロト?」
ヒロト、なにか言ってたっけ?
「…いえ、こっちの話よ。
それより、中村瞬には気を付けた方がいいと思うわ。
……もしかしたら桜に何かしてくるかも…」
「え!そんな、大丈夫ですよ!
確かに中村さん、正直少し苦手ですけど…悪い人じゃなさそうだし…」
慌ててそう言うと、涼子さんは小さくため息をついた。