あたしはモデル。②(修正版)
拓夢の家へ
――ガチャッ
鍵を開ける音が聞こえて、ドアが開いた。
ドアから出てきたのは、しんどそうな顔をした拓夢。
とりあえず中に入れてもらい、靴を脱いで振り返ると玄関に立ったままの拓夢と目が合った。
「…移ったらどうすんの?」
拓夢の顔は少し険しかった。
「大丈夫。私、人から風邪移されたことないし。」
「…それなんの根拠もないよ?」
「た…確かに……
でも、大丈夫だよ!
拓夢がしんどいときに傍にいられないなんて、そんなの嫌だよ…」
必死に言うと、拓夢は呆れたような、しかし優しく目を細めた。
「バカだな」
「いいよバカで。
…バカは風邪引かないらしいし。」
そう言って、拓夢思い切り抱き付いた。
ずっと会いたかった拓夢が、目の前にいる。
ぎゅっと力を込めると、拓夢も私の背中に優しく腕を回す。
ああ、幸せだなあ…
なんて、頬が緩みそうになったとき、私は異変に気付いた。