あたしはモデル。②(修正版)
「大丈夫か?桜。
あいつに何された?」
中村さんを睨みつけた後、ヒロトは心配そうに聞いてきた。
答えようと思っても、しゃべれない。
私の体がガクガクと震えるのが分かった。
やだ…
お願い…
たすけて…
あの忌まわしい事件がよみがえった。
お兄ちゃんを失った恐怖
狂ったような声
---犯人に強く掴まれた、私の腕
「…や…だ……」
ガタンッ
「さくらっ…!!!」
ヒロトの声を最後に、私の意識は途絶えた。