あたしはモデル。②(修正版)
そう言って拓夢は首を傾げて私をじっと見つめてきた。
いつもはしない仕草。熱のせいで少し潤んだ目に見つめられて、顔が熱くなるのがわかった。
か、かっこいい…。いや、どっちかっていうと可愛いかも…
「桜?」
「……えっ!?
あ、うん。今日は仕事オフだし、それくらいさせて?」
「…やべ。すげぇ嬉しい。
でもマジで、風邪移んなよ。絶対。」
「…っ、わかったから、早く寝てきて!キッチン借してね!」
赤くなった顔がバレないように、拓夢の背中を押した。
歩き出した拓夢の後ろに着いていきリビングに入った途端、私は目を見開いた。
ホテルのスイートルーム並みの広さに、大きな窓。夜景を見たらきっと綺麗だろう。
「すごく広いね。それに綺麗。」
家具はほとんどが黒と白で揃えられていて、とても綺麗に整頓されている。
私の家より綺麗だし広い。
「キッチンは、あれな。
じゃあごめん、俺寝てくる。
……もし帰るときはこれで戸締まりしといて。」
そう言って拓夢はテーブルに何かを置き、私の頭を軽く撫でてから、少しふらついた足取りでリビングを出ていった。