想い人へ...
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-キーンコーンカーンコーン-
「おい!!おせぇぞ!そんなトロトロしてっと置いてくぞ」
「待ってよ!!」
授業が終わり、いつものように潤が迎えに来る。
潤とは幼馴染み、小学校から同じ学校で同じ部活をしている。
「今日女子ってランニングじゃねぇの?」
「えっ?!そうだったっけ?!」
教科書を鞄に放り込みながら、潤の言葉に唖然とする。
「だって今日は男子がコート使う日だろ?」
私と潤は、同じバスケ部。
中学校の体育館は、狭いので毎日交代で男女がコートを使っている。
「まぢで〜、もう最悪だぁ」
ランニングが嫌いな私。
「最悪だぁ〜じゃねぇよ。準備終わったならはよ行くぞ!!!」
教科書が詰まった私の鞄を持ち、小走りになる潤。
「私、今日休んじゃおっかなぁ・・・」
ランニングの日が嫌で最近サボり癖のついてしまった。
「何言ってんだよ。部活終わったら迎えに行ってやるから待ってろよ」
潤は、ブツブツ言う私の腕を掴んでまた走り出す。