恋を知りたくて・・・~君と出会ったベンチ~
その日から私の竜に対する気持ちは変わった。  
   恋をすると毎日が楽しい。
   でもどこか寂しい。
   竜は私の気持ちに気づいてくれないだろう・・・
   
   まぁ私が恋していることはまだ親友の香奈にも秘密にしてる。
   だって、私が好きな相手がよりによって授業サボりまくりの 
   竜だから。あまり存在感もないしね・・・
  
    でもそれは私の勘違いだった。
    
   放課後・・・
   今日は香奈が生徒会の仕事で忙しいから先に帰ることになった。
   玄関で靴に履き替えようとした時、大きな笑い声がした。
   「ん?竜?」
   それは確かに竜の声。それは私と竜の秘密の場所からだった。
   私は靴箱の影からのぞいた。
   そこには女の子と楽しそうに話す竜の姿だった。
   私は会話に耳を傾けた。

   「じゃあ俺が受信するから送信して」  
   「オッケ~」
   「じゃあ後でメールするわ」
   「了解。じゃあね~」
   それは私が最も見たくない光景だった。
   私は竜のメールアドレスも知らない。
   秘密の場所とか竜が本当は笑うこと私だけがしってる
   秘密だと思ってた。でも全部違った。今だって普通に笑ってる。  
   今だって、普通に秘密の場所にいる。
   この瞬間私は絶望的な気持ちになった。

   私は涙をこらえながら走って家まで帰った。

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