満月の夜とミミの青い瞳
「では、さよなら」
話すことが無くなり、ミミは振り返って帰ろうとした。
『会えたから充分だわ』
そう思ったが、男の子がミミの腕を掴んだ。
「待って!」
驚きで、素早く男の子を見た。
「僕、今一人なんだ。少しだけ話さない?」
「えっ……」
あまりの嬉しさに言葉を失っていると、男の子はあっと言って手を離した。
「ごめん!迷惑だよね」
「ううん、そんなことない!話そう」
ミミが言うと、男の子は顔をほころばせた。