満月の夜とミミの青い瞳
満月は落ちていく
しばらくの間、2人は何も喋らなかった。
急に気まずさに襲われ、そっぽを向いていた。
そして先に、ミミが口を開いた。
「ううん。気のせいだよ」
言えない。
言ってはいけない。
隠し通さなければいけない。
でもミミは嬉しかった。
心のどこかで気づいて欲しいと思っていたから。
「そうか、やっぱりそうだよね。あはは、なんかごめんね」
後ろ頭をかきながら、タクトは笑った。
『これでいいんだ』
この夢がさめれば、もう一生会えないから。
もしバレたら、一生後悔してしまうから。