満月の夜とミミの青い瞳
男の人にこんな風に触れられたのは生まれて初めて。
ミミの心臓は高鳴ったまま、おさまることを知らなかった。
あまりに照れてしまったミミは男の子を一度見上げると、そのまま走りだした。
「あっ、ちょっと!」
呼び止められても、振り返らずにただ走った。
『あたし、変だ!』
全力疾走しながら、ミミはそう思った。
助けてもらっただけで。
頭を撫でられただけで。
ただそれだけなのに、
『胸が苦しい……』
そう、ミミは
男の子に恋をしてしまった―――