藍色砂時計
――シュワシュワ……
私の前に、懐かしい光が広がる。
「っと。
あーおい、久しぶり!
もう呼び出してくんねぇのかと思ったじゃん」
そんな光にさえ劣ってない刹那の笑顔に、
私はホッと安堵の溜息を洩らした。
刹那は、ちっとも変わっていない。
「ってか、え!?
学校じゃねえし…。
つか、お前、なんでそんなお洒落してんの!?」
……そう。
いつもは学校の人気のないところに、
制服で刹那を呼び出している私だけど。
今日はうちんちの近くの公園に、
ちゃんとしたお洒落をして呼び出してみた。
「だって、一応これ、世間一般に言う
“デート”って奴じゃん?」
しれっとそう告げると、
ちょっと顔を赤くした刹那が、
ポロリとこう零した。
「……信じらんねぇ……。
ここ、初デートの場所じゃん…」