藍色砂時計
「ふんっだ。
私が刹那以外見えてないの、
知ってるくせにー」
わざとらしく歯を見せて対抗すると、
眉を垂らしてくすりと微笑む刹那。
「ん。――知ってる」
頷いて、微笑んで、頭を触って。
――そして刹那は、消えていく。
「……へへ」
一人残された公園で、
その場に泣き崩れる。
「刹那が、っ…刹那が……っ!
覚えてくれてた…っ、覚えてくれてたよぉ…!」
砂時計を握り締めて身体を折り曲げる。
抱き締められたはずがないのに、
触れられるはずがないのに。
それでも刹那の体温を感じた。