藍色砂時計







「……葵」


 頭の上から、
 刹那の優しい声が
 降り注ぐ。


「ごめっ、ちゃんと…っ、
 ちゃんと泣き止むから、
 待って……っ!?」


「葵、泣かないで?」


 そう言って、刹那は
 人差し指を私の頬に
 滑らせる。


「…せつっ、な…っ?」










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