藍色砂時計









「…あんた、なんて名前」


  突然口を開いたまいら先輩。

  低くて、甘くて、掠れた声を
  囁かれたもんだから、
  ぴくんと肩を揺らしてしまった。


「葵、です……」


「ふぅん」


  聞いといて薄い反応の先輩に
  少しだけイラッとしつつも、


「先輩は……まいら先輩?」


  などと、知ってることを聞いてしまった。


「そ」


  ……返事、短。













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