藍色砂時計
「ちか、俺さ。
さっさと教室帰りてぇから、
こいつ放っといて帰ろうぜ」
「は? まいらが教室
帰りたいとか、
初めて聞いたんやけど……?」
喋っているちか先輩をよそに、
さっさと螺旋階段を後にし、
校舎へと入っていく先輩。
そんな先輩を、
ちか先輩は慌てて追いかける。
「んじゃ葵ちゃんっ、
またなっ!?」
―――窓越しに見えた、
まいら先輩の私を見遣る瞳。
私のために、ちか先輩を
連れていってくれたんだ。