恋百物語
「先輩。好きです。大好きです」
ずっとずっと募らせてきたこの想い。
私はまだまだガキのままで、慰めの言葉も上手な口説き文句も言えないけど。
初恋でした。
どうしようもなく大切な気持ち。
すごく、すごく、大好きです。
溢れだしたこの想いが、少しでもあなたに届きますように。
「ありがとう」
ジャージに胸当てをつけて、弓を持ったまま告白した私。
目に染みるような青空の下、心地いい風が吹く。
なびいた髪をおさえながら、平野先輩がふにゃりと笑った。
fin.