恋百物語
放課後。
パン、パン…と的に矢が突き刺さる音が響く。
「ねぇねぇ。須藤ちゃんって松崎くんと仲いいよね」
「は?ありえないんだけど」
懐っこい声をあげる小山。
「えー。じゃあ松崎くんの片想いなの?」
「だからありえないって」
「でも松崎くん、須藤ちゃんのアドレス教えてーって私の顔見るたび絡んでくるよ?」
部活のときまであんな奴のこと思いだしたくないんだけど。
小山は気づかず松崎の名前を連呼している。