恋百物語
あんまりにもしつこいから少しいらっとして、わざと冷たい口調で言ってやる。






小山は恋愛に関してもタイミングの悪い人間だ。


不器用で真っすぐでお人好し。

もっとうまく立ち回って、弱みにつけ込むことだってできたはずなのに。




「いいんだよ。私は」




ポンポン、と小山の頭をなでてやる。

ちらりと想い人を見つめる小山の視線は今も変わらず熱っぽくて。

まぁそんな不器用な彼女だからこそきっと私もほっとけないんだろうけど。

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