恋百物語


「須藤ちゃーん!」




昼休み。

小山と机をくっつけてお弁当を食べていると、廊下でぶんぶん手を振る松崎の姿。




「今日もおいしそうな卵焼きだね。一口ちょーだい?」

「毎日物乞いにくるのやめてくれる?」




わざとらしくあーんと開かれた口をパシっと叩く。






ここ数日、暇さえあれば遊びにくるこの男。

前はそうでもなかったのに、今じゃもうこの金髪を見ない日はないくらいだ。

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