恋百物語
「ちょっ!やめっ!ハゲる!!」
「ぶ。小山、おもしれー」
「や、わかった!わかったから離してくださいっ」
ボサボサの頭を抱えて思いっきり睨みつける。
この人は私のことをペットかなにかと勘違いしてるんじゃないだろうか。
それでもぶつぶつ文句を言いながらも結局言うことを聞いちゃう自分。
「あー。もう、先輩のバカ」
なんて言いつつ、本当は先輩がこんなふうにかまってくれることがうれしくて。
にやつきそうな顔とバクバクうるさい心臓を抑えつけるので精一杯だ。