恋百物語
熱く宿っていた衝動が落ち着くにつれ、虚しさが増す。
後先考えずに飛びだしてみたところで、私はここから動けない。
どうしたって立ちどまって考えてしまうんだ。
中途半端な自分が嫌になる。
「…なにやってんの」
尻尾を巻いて逃げ帰るしかないのかと肩を落としていると、後ろから声がした。
慌てて振り返る。
「松崎…」
初めて彼の名前を呼んだ瞬間だった。
後先考えずに飛びだしてみたところで、私はここから動けない。
どうしたって立ちどまって考えてしまうんだ。
中途半端な自分が嫌になる。
「…なにやってんの」
尻尾を巻いて逃げ帰るしかないのかと肩を落としていると、後ろから声がした。
慌てて振り返る。
「松崎…」
初めて彼の名前を呼んだ瞬間だった。