恋百物語
「…やっべ。それ、すげーうれしい」
「え?」
どれだけ怒ってるんだろうと思ったのに、松崎はなんとも思ってないように笑ってくれた。
そんなに俺に会いたかったなんて、とかてきとうなことをほざきながら。
ちょっといらっとしたけど、まぁ今日だけは許してあげようと思う。
「あ。じゃあさ、お詫びにアドレスの二文字目、教えて?」
「は?」
…そういえば小山が一文字目だけ教えたとか言ってたっけ。
ひとつずつ埋めていく気なんだろうか、この男は。
だいたい何文字あるかしってるのだろうか。