恋百物語
「さっき英語で抜き打ちテストがあってさー。もうマジ最悪だって」
呑気に大声でしゃべるテツはいつもとなにも変わらない。
なにかあったのではないだろうかという心配を捨て、テツの横に並んだ。
「白紙でだしたんじゃねーだろうな」
「まさか。ジョーホンの心情について熱く語ってやったっつーの」
「ジョーホン?」
「問題文の主人公。John、ジョーホンさん」
「…それ、100%ジョンだろ」
「は!?」
「テツ。お前絶対0点。決定」
「えー!?嘘だろー!?俺、あんなにがんばったのに!」
「どれだけ熱く語ろうとジョンはジョーホンにはなんねーんだよ」