恋百物語


私の一日の運勢は通学路にある自販機の品揃えで決まる。






いつ補充しているのかわからないくらい毎回同じものの品切れ率が高いこの自販機。

だけど購買には置いてない、お気に入りのグレープの炭酸飲料がここにはある。






ここ3日ぐらいずっと切れたままで。

今日も無理かな、と少しあきらめながらも未練がましく足をとめる。




「あ。あった!」




久しぶりに大好物のグレープと再会し、モチベーションは一気にあがる。

今日はなにかいいことあるかも、なんて脳天気なことを思いながらペットボトルのふたをひねる。






プシュっといい音がした。


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