寂しがり屋には愛情を。

気がついたら車の中、要の膝の上だった。


なんで膝枕…?


全然起動してくれない頭を無理やり回転させて考えるも、今の状況が全く理解できない。



もそっ と動くと「起きたか?」と頭の上から要の声がした。



「あれれ…?」


「飲み過ぎだバカ。せっかく久しぶりの飲みなのにヘロヘロに酔うんじゃねーよバカ。」


身体を起こして要を見上げると思ったより至近距離で、要の顔が真っ赤になって、

…なんかごめんなさい?



「…ッまだかかるから寝てろ!」


膝の上に押し返されてしまった。


まぁまだ眠いし。

頭は働かないし。



「えへへ おやすみなさい。」



「えへへって…可愛いなバカ。
あー…マジなにやってんだオレ。」



要の呟きは夢の中に落ちたあたしに届くことはなかった。



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