寂しがり屋には愛情を。

黙った。

黙ったよコイツ。



え、そんなまずったこと言ったのかあたし?!


「ちょ、黙んないでよ!何、なんなの?!何言ったあたし?!」


冷や汗という奴がタラーっと背中を滑る。


もう楽しさなんぞ遥か彼方へバイバイだ。



今のあたしには焦りしかない。


それと不安も。



「ねぇッ…」ガチャッ



…………ッ!!


今のは玄関が開く音…!
やばい、凌ちゃんサンのお帰りだ!!



瞬時に玄関に続くドアを見つめて筋肉が固まる。



やばいやばい!

要がいるのに!




………あれ?

別にやばくはないか。


要は普通に友達だしな。

友達を家に連れてきてもなんの問題もない。……はずだ。



うん。そうだそうだ。


ビビることなんて何も……

ドンッ ドカッ バタバタバタッ



うわぇぇッ!!



な、なに?!



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