寂しがり屋には愛情を。
後ろから抱きしめる形で座った凌ちゃんさん。
たぶんあたしが1番落ち着く座り方って知ってるんだろうな。
話聞いてくれるときはいつもこうやって座るもん。
「凌ちゃんさんはさ、あたしに関わって欲しくないような秘密って言うか、踏み込まれたくない領域的な?
そう言うのってある?」
ちなみに言うとあたしはそう言うの全然ないんだよね。
だからどうしていいのかがわからない。
「踏み込まれたくない領域か…まぁ、あるにはあるな。」
「え、あるの?!」
「ありますとも。特に希美にだけは知られたくないヒミツとか。」
そんなのがあるのか…。
気になるじゃないか。
「やましいこと?」
「んー、少し?」
うわぁもっと気になる。
でも言えない秘密なら聞いちゃいけないんだよね?
でもあたしだけに知られたくないってことはみんなは知ってるのか。
ズルいな。
「あれ?希美さーん?どうしたー?」
ダメだ。やっぱりグルグル考えるのは性に合わない。
「凌ちゃんさん。やましい秘密があるのはわかりました。あたしに聞かれたくないのもわかりました。
でも、あたしは今シアワセなので、本当は聞きたいけどあたしが悲しくなるような秘密なら一生秘密にして置いてください。
あたしも、秘密があるってことは、忘れるように頑張りますから。」
でも、あいつらの問題は忘れてはいけない問題なんだよな。
いくら関わらないでほしいって言われたとしても。