寂しがり屋には愛情を。
「調子のいいお口ですね…」
「なんとでも言いたまえ」
痛くもかゆくもないぞ。
「…話聞いても笑わないでくださいよ?」
「笑わない笑わない。」
「はぁ…オレは、あいつのことが、…羨ましいんですよ。
本人に言ったら怒るだろうから言わないけど、学校の中で自由に振舞えて、教師に言いたいことを言えて、自分の感情のままに過ごすあいつが、…羨ましい。
あいつはオレにはない力があって、自分を持ってて、自由で……周りに笑顔振りまいて、必死に勉強して、優等生しなきゃやって行けないオレとは違う。
だからオレが勝手にあいつのこと毛嫌いしてるだけなんです。」
ね?こんなくだらない理由なんですよ?
と顔をへにゃんと歪める会長くん。
なんか、…愛らしいなぁ。
「くだらなくなんかないよ。
みんな誰だって自分にないものを人に求めるもんだ。で、その分人にない何かをみんな持ってる。
あたしは西野くんのまっすぐでバカなとこも、会長くんのカリスマ的な存在感も努力家なとこも、ひぐち君の大人でしっかり者のとこも、みんなそれぞれの良いところだと思うよ?」
だから、人と比べてどっちが上かなんて、考えるだけ無駄なんだ。