寂しがり屋には愛情を。
「オレはそんな…優しい奴じゃない。
喧嘩だって、結局は自分のためなんだ。
自分の憂さ晴らしに意味ない喧嘩もかなりしてる。
お前も知ってんだろ?お前には楽器がある、兄貴には頭がある、オレにはなんもねぇ。オレが存在する意義がねーんだよ。オレは、…出来損ないだからな。」
だから、喧嘩をして自分の存在を確かめる。
「なるほどね。話してくれてありがとう。」
才能のある兄妹がいて、自分にはなにもなくて、
なんで自分には何もないんだ、自分はなんのために存在しているのか、
わからなくて、自分を表すことができなくて、
こいつは喧嘩という言葉も心もいらない環境で、自分の中の不安をかき消そうと必死になっていた。
「苦しかったんだね。」
自分を好きなように表現できないっていうのは、心も体も苦しいことだ。
「でも、無闇に喧嘩するのはオススメできないなぁ。」